伝統的な雲の図像を水辺に描くことによって、先人たちが思い描いた極楽浄土のような場を生み出し、現代を生きる私たちに安らぎと暮らしへの彩りを与えることが目指されている。
画家。1973年京都生まれ。京都市在住。1997年京都精華大学大学院美術研究科洋画専攻修了。大学在籍時より風景をテーマに油彩画に取り組み、自己の記憶や身体との関係性を模索し作品を展開する。’95年初個展(galerie16/京都)以降主に個展で作品を発表(’03-ふむ-、’05-まく-、’06-けものみち-、’10-日なたの場面-/galerie16/京都)’97年大学院修了後、社寺建造物彩色の仕事にも携わり、日本古来の画材や厳密なルールのある職人仕事の世界に触れるようになる。また緻密な作業と対照的な建造物内部の圧倒的な装飾空間を経験していく中で、展示空間への身体的なアプローチをより意識するようになる。近年は身体感も含めた絵の成り立ちの再構築を模索し、絵肌の質を求め’08年より社寺彩色時に使用している日本画材の墨や水干絵の具も用いたテンペラ技法を併用した作品を制作している。
’12年12月、京都精華大学ギャラリーフロールにて個展予定。