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都市の未来像
スチレンボードで作られたタワー型のオブジェが上下伸縮を繰り返し、構築・破壊・再生という現代都市の縮図をコミカルかつシニカルに表現する。展示場所は250メートルを超えるタワー型の大阪府咲洲庁舎。入れ子構造の複合空間を生み出すことによって、都市の未来へと我々の想像力を喚起させる。
作者が着想を得たのはハリウッドのSF映画で高層ビル群が破壊と再生を繰り返すシーン。CG技術を駆使することでこそ可能となったイメージを、敢えてアナログ的手法、つまり電気仕掛けで不器用に伸縮する箱としてシンプルに表現することで、デジタルとアナログの本当のところの違いは何かについて、静かに問いかけている。
美術家。1973年神奈川県生まれ。1997年東京造形大学卒業。2000年サ ンドヴェルグ・インティテュート修了。「変換」をキーワードに、デジタルなエレメントをアナログ的手法で主に立体作品として制作。 1996年「キリン・コンテンポラリー・アワード」奨励賞受賞。2003年「クリテリオム56」水戸芸術館現代美術ギャラリーで個展。2004年「第7回 岡本太郎記念現代芸術大賞展」特別賞受賞。2007年「第11回文化庁メディア芸術祭」エンターテイメント部門にて奨励賞を受賞。2012年「越後妻有 大地の芸術祭」に参加。絵本「匂いをかがれるかぐや姫~日本昔話Remix~」、「背面ストライプの浦島太郎 日本昔話Remix2」 (原游との共著)をマガジンハウスより発売。