TOP > 2012年度 作品一覧 > 大きな本~人がまちを読む風景~
  • DATE[1]2012年10月15、16日(10:00〜18:00)
    [2]10月26日(展示12:30〜14:30/まちあるき15:00〜)
    [3]11月10日(まちあるき13:30〜)
  • PLACE[1]中之島公園(水都大阪フェス2012会場) [2][3]まちあるきの集合場所は「千里文化センターコラボ」前広場

大きな本~人がまちを読む風景~

千里グッズの会+大阪大学建築・都市計画論領域

PHOTO

あなたは「ニュータウン」を知ってますか?
今年2012年に、まちびらきから50周年を迎える千里ニュータウン。日本初の大規模な計画都市として、住民や行政、専門家といった多様な立場の人々が新しい取組みを重ねてきた地である。このニュータウンの歴史を「大きな本」に詰め込んで展示、共有していこうとするプロジェクト。地域の人々や子供たちとともに歴史を振り返り、また未来を考える機会とするためのイベント等も開催。

【制作過程】
※7月下旬
作者とおおさかカンヴァススタッフとの初顔あわせ。

※8月中旬
具体的なプログラムについての打ち合わせでは、
・本の設置場所の選定、新千里東町の遊歩道利用における許可申請関連。
・本のコンテンツの選定と、素材の決定。
を課題として共有。
本の素材に関しては、ダンボールを基本に考えつつも、強度や予算面でまだ検討が必要。


※9月初旬
以後、定期的にメンバーで打ち合わせを重ね、千里エリアに関するコンテンツを役割分担しながら決めていく作業の一方、学生メンバーが中心となり素材探しが始まる。
ダンボール加工会社を訪問、素材サンプルの説明を受ける。
後日、薦められた強化ダンボールを素材として使うことが決まった。

いよいよ、実際に展示する大きさで本の試作づくりが始まる。
本の綴り方、印刷方法など、試行錯誤しながらまだまだ試作づくりは続く。
最終的には、ダンボールにコンテンツが印刷されたカッティングシートを貼ることに決定。

「大きな本」作品概要:サイズ 1260mm×1800mm 冊数 7冊 主な内容:大きな本プロジェクトの概要 都市の歩き方「千里ニュータウン」 こどもたちにとっての東町 街角広場のあゆみ 車止図鑑 他サイトスペシフィックな本など。


【中之島公園での作品展示】
大きな本は千里エリアでの展示がメインであったが、2日間限定で水都大阪フェス2012の会場にも登場。2つの「大きな本」を展示した。



【まちあるきイベント】
公共空間である千里エリアの遊歩道に「大きな本」を設置するにあたり
・地域の住民の方々の理解をいただくこと
・通行者の安全に配慮した運営方法
・法令に基づく道路使用許可申請等の手続き
がおもな課題となった。

「大きな本」のメインイベントは新千里東町の遊歩道をめぐるまちあるきイベントであるため遊歩道や道路を管轄する行政機関の関係部署にイベントの意図や運営方法を説明することと平行して、地元住民へは、イベント開催前にチラシ配付や直接趣旨を説明し歩くことで理解を求めた。
また、イベントの目玉として、今回特別に公開する旧要員住宅(新千里東町近隣センターで働く人が使っていた住宅)や住民退去後の府営住宅は、当時の様子をそのまま残しているのものの、長い間利用されていなかったので、使用する部屋と通路をきれいに掃除した。大変な作業だったが、終わる頃には、皆晴ればれとした表情であった。普段見れない場所に入れるチャンスなので、いろんな方に見に来てほしい。



【千里エリアでの作品展示】
10/26と11/10に開催した、千里エリアでのまち歩きイベントは、豊中市千里文化センター「コラボ」前広場をスタート地点とし、遊歩道を抜けた新千里東町内にある旧集会所までの道のりをめぐるもので、参加者はまち歩きコースが書かれた地図を片手に自由に散策する。道に設置した大きな本にはそれぞれガイド役が本の内容を説明する。イベント参加者だけでなく、遊歩道を歩く人々も立ち止まり、千里の話をする姿が多く見られた。また、イベント期間中だけ特別公開している旧要員住宅内の簡易設置型浴室「バスオール」や囲み型団地の見学会では、今となっては珍しい光景に、見学者や住民の中から驚きの声や懐かしむ声が多くあり、皆、熱心にガイド役の説明に耳を傾けていた。








関連リンク
アーティスト情報
千里グッズの会+大阪大学建築・都市計画論領域

「千里グッズの会」は、2002年千里ニュータウンのコミュニティカフェ「ひがしまち街角広場」に集まる地域住民、建築・まちづくりの専門家、大阪大学建築・都市計画論領域の研究者、学生らの中から生まれた地域団体である。始まりは「魅力ある街には魅力ある絵葉書がある」という発想からの絵葉書制作だったが、次第に千里ニュータウンの生活の歴史が記録・共有されておらず、近過去について記憶喪失になりつつあるという問題意識が膨らみ,千里の魅力的な風景や記憶の収集,調査研究成果の市民向け編集,まちの情報を表現・共有するための新たな形式と媒体のデザインを続けてきた。2011年からは豊中市の協働事業市民提案制度を利用した「ディスカバー千里」プロジェクトとしても活動を展開中。

本プロジェクトのメンバーは,鈴木毅,太田博一,松原茂樹,田中康裕,下林信夫,小松莉果,永河裕樹。



2003年 千里ニュータウン絵葉書の制作販売(現在に至る)

2004年 映画「ニュータウン物語」街頭宣伝

2005年 ひがしまち街角広場アーカイブ(2007年改訂版)

2006年 展示制作@千里ニュータウン展(吹田市立博物館)

2007年 映像プロジェクション@灯りイベント(東丘ダディーズクラブ主催カレーキャンプ)

2011年 大きな本@いにしえ街歩き東町昔遊びツアー(東丘ダディーズクラブ主催)

2012年 千里ニュータウン「ウェルカムパック」制作配布(ディスカバー千里プロジェクト)