風や湿度など、自然環境の変化を視覚化する作品「環境探知機」に取りくんできた作者。今回は海沿いの公園を展示場所に選んだ。海側と陸側のふたつのエリアにビニールテープを張り渡し、海風と陸風、そして凪の瞬間を捉えようという試みだ。カラフルなビニールテープはその色とりどりの色彩が空間に映えて美しく、風の強さや方角によって揺れ方や音が変化に富み、我々の感覚をおおいに楽しませた。環境の変化にどんどん鈍感になる我々の都市生活。体感が刺激される機会を増やすことで、豊かな暮らしの本質に気づくきっかけになれば、と作者は語る。