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artistreport

2016.11.20

interview vol2「太陽の塔を倒したい」井口雄介

10月22日、作家の井口雄介さんに作品「KALEIDO-SC@PE(カレイドスケープ)」の感想を聞かせていただきました。
(作品が完成する前のインタビューはこちらで読めます)

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ーーカレイドスケープは自転車のチェーンで回転させているんですね。

もともと自転車が好きで学生の頃は自転車のレースに出場していたほどです。筑波サーキットで12時間耐久レースに5人で参加していました。自転車だけでなく、乗り物全般が好きで、バイクや自動車だけでなく、船舶免許も持っています。

ーーすごいですね、船を使った作品も今後誕生しそうですね。

実は船の免許を使ったのはまだ一回だけです。クレーンとかフォークリフトも一通り免許を持っています。というのも僕の作品は大型の作品が多いのですが、クレーンを動かせる方を呼ぶには結構お金がかかり、一回呼ぶと一日4万円ぐらいかかるので自分で免許をとりました。まだプランの段階で、次の作品の構想があるのですが、それにはどうしてもヘリコプターを使いたいと思っています。

ーー壮大ですね! 東京で制作されていた頃に動画で回転している様子をアップされたタイミングがありましたが、あの瞬間が「完成した!」というタイミングでしょうか?

あのときはまだ万華鏡の中のミラーなどもシートを張った状態でした。スケジュール上での予備日の時点で台座が回らなかったので、あれは完成したというよりも、安心した瞬間でした。

万博記念公園に作品をもってきた朝に一気に回転させるまでできました。ほっとしたというのがひとつありまして、太陽の塔の真ん中の顔は万華鏡に入れたいと思っていたのですが、持ってくるまでわからなかったですから。計算で万華鏡の角度を計り、太陽の塔の顔までの高さをすべてCGで検証してはいました。入った瞬間に疲れがどっと出る感じでした。

ーー10/22初日のお客さんの反応はどうでしたか?

朝9時半に来た最初のお客さんは、実はうちの家族だったんですよ。ちょうど姉の旦那が大阪出張だったようで、家族ぐるみで遊びにきてくれました。10時すぎぐらいから行列ができました。小学校低学年以下のお子さんは親に漕いでもらおうと想定していたものの、「自分で漕ぐ!」というお子さんが多く、そのあたりの年齢層が読めていなかったですね。

ーーほかの作品が近くにあることで思うことはありますか?

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わりと屋外でずっと作品をつくってきているので違和感はないのですが、今回ほど作品の調和がとれている機会はないなと感じます。みんなカラフルな作品だけど邪魔しているわけではなく、みんなどこかでつながっている感じがして面白いです。すごくいい感じでほかの人の作品も楽しめるようになりました。

ーー大阪で展示するのははじめてでしょうか?

今回みたいに大阪府内での展示ははじめてです。結構みんな話しかけてきてくださります。作品の下に潜ってつくっているときも「これなんなん?」って(笑) 意外でしたね。