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artistreport

2016.11.23

interview vol2「そのまま生身の人間で立ち向かうしかない」ちびがっつ

10月22日、作家のちびがっつさんに作品「太陽の人」の感想を聞かせていただきました。
(作品が完成する前のインタビューはこちらで読めます)

s_image01 Photo:Yuki Moriya

ーー完成したと感じたのはどんなときですか?

1日目が終わった時じゃないですかね。でもまだ完成ではなく、方向が決まった感じがします。最終的に作品になればいいなと思っています。

ーー初日の朝の最初のお客さんの反応はどうでしたか?

僕の前に立って、僕を無視して太陽の塔を撮影しているおじさんがいて、心が折れそうになりました(笑)

ーー無視はつらいですね…

みんなかぶりものをかぶって写真を撮っていて、どういう感じで接すればいいかわからなくて、お客さんも僕とどう接すればいいかわからない感じでした。カメラ向けられるとニコッとしてポーズをキメているうちに、少しずつお客さんとの距離が近づいた気がします。

ーーInstagramなどSNS上ではかなり広まっていますよ。

ありがたいです。開催前はもっと寡黙なスタンスで考えていたのですが、人間らしさってそういうところじゃないなと思って、まわりからも人間ぽさやちびがっつを出したほうがいいと言われて、「がっつ!」と言われたら「がっつ!」と言い返すようにしました。すると遠方を歩いている人も「がっつ!」と大きな声で言ってくれたりしていて、それに答えているうちにいろんな方向から「がっつ!」と言われるようになって、やまびこのように響いていましたね。

ーーかなりの空間を占有する作品となりましたね。ずっと立ち続けることで何か発見はありましたか?

いつもふとケータイとかを触ったりするので考えごとをするのに気が散るんですが、何もない状況なのでいろんなことを深く考え、太陽の塔と向き合えていると思います。前に太陽の塔しかないですから。Instagramで企画をいろいろ平日にあげているのですが、そのテーマを考えたりしていますね。

s_image00 Photo:Yuki Moriya

「がっつ!」と言われたら「がっつ!」と言い返す瞬間は、いままで太陽の塔を撮っていた人も手が止まり、僕に注目が集まります。そんなやりとりを昼間にやっていた人が、ほかの場所に遊びに行って、夕方ごろの閉園前に戻ってきたらまだ立ち続けているのを見て、最後まで見守ってくれる人が増えました。5時の閉園時間になったら「ありがとうございました」と言うのですが、その瞬間に拍手をいただけるようになりました。

後日談・・・

ーーおおさかカンヴァスを終えて、9日間立ち続けていかがでしたか?

ツラかったけど、めちゃくちゃ楽しかったです。立ち続けるのはすぐ慣れましたが、寒さが大敵でした。気温というより風が体温を奪いました。しかし、その寒さのおかげで寒さから身を守る色んな技が生まれましたが(笑)

ーー最終的にどのような作品になったと感じますか?

「太陽の人」が「ガッツの人」になった感じですかね。太陽の塔になりきるのではなく、「ちびがっつ」というキャラクターで自分のものに作品化できたように思います。ガッツがなければもっとキツかったと思います。

現在、ちびがっつさんは太陽の人の記録集の作成をしています。
12月よりwebショップにて販売予定。ぜひチェックしてみてください!
http://chibiguts.theshop.jp