2016.11.20
interview vol2「岡本太郎さんの『明日の神話』を下敷きに、自分たちでつくりかえようという思いから「◯△□の神話」というタイトルに」種(天王寺学館高等学校芸術コースを中心とした若手美術集団)
作家種代表のおふたり(+1匹)に作品「◯△□の神話」の感想を聞かせていただきました。
(作品が完成する前のインタビューはこちらで読めます)
ーー完成したと感じたのはどんなときですか?
佐藤先生 絵が完成したのは10月19日の夜ですね。そのときはもう、仕上げの作業だったので完成を見たのは数名ほどです。コーティングと細かな箇所の整理をしていました。
宮本さん 私はまだ「完成した」という実感はないです。展示も明日からですし。
ーー新開さん(seedちゃん)はどのあたりを担当されたのですか?
佐藤先生 新開さん(seedちゃん)は描画のすべての担当の代表をつとめていて、下図の作成から全て彼女が担当しています。
ーーどこから描き始めたのでしょうか?
新開さん(seedちゃん) 先に太陽の塔を描きました。こだわったのは、太陽の塔が生きているように描いたところです。
宮本さん メンバーの中に演劇をやっている子がいて、舞台には上手と下手があって、上手から下手に向かって未来を表すと教えてくれたので、この絵もそういう構図にしています。
ーーみんなとの制作はどうでしたか?
宮本さん 画面に色を塗るだけでなく、影をつけたり明るさをつけたりといった、描画がわからない子もいたので、できる子が描いて教えてあげるような、生徒間で教えあう時間がありました。制作中はもくもくと描いていました。
佐藤先生 締め切りが決まっているので、今日はここまでやらないと終われないという、いい意味での緊張感があったと思います。
ーー作品を万博記念公園駅に展示してみての感想は?
宮本さん スクエアサイズの絵が4枚あり、教室が広くないのでつなげてみるのがここで初めてなんで、ようやくつながったという感動がありました。間接的ではありますが、実際に「太陽の塔」に対面する形で展示できたのも嬉しかったです。
ーー作品に取り組んでみてご自身に変化はありましたか?
宮本さん 公に作品が出ることでみんなの制作意識が高まったと思います。もともと毎日来ていた常連のメンバーがだんだん増えていったんです。熱が拡がっている感じもあるし、自分が描いて前の日に途中だった部分を続きやらなきゃという意識の人も多くいて。
新開さん(seedちゃん) やっぱり大画面をコントロールする技量が足りなかったり、いろんな方に見てもらうので、画面全体の流れを汲み取ってもらうためにどこに目を置いてもらうのか、をみんなに指示をする際に通じなかったりするのが難しかったです。
佐藤先生 本当に苦しんで描いているなという印象でした。教室でも「見せる作品、伝える作品にしないといけない」と言っていましたし、考えてほしいので、「そこそれでいいの?」とか言って煽っていましたから。
宮本さん 反論したいときもあったのですが、やってみて、あ、そうかと気づくことが多かったです。
新開さん(seedちゃん) 線の入れ方とかは特にです。勢いよく描かないとダメなときとか、メリハリをつけるところが難しいです。一番手をつけていたのは太陽の塔で、キャンバスの中の太陽の塔といっしょにキャンバスと戦っていた感じがします。
佐藤先生 太陽の塔へは7月から継続して見学に行き、太陽の塔の前で下絵を完成させたりしていました。作品の中に太陽の塔を取り込んでいる作品であり、そのエッセンスや空気まで入れ込んで戦っていくために、一生懸命に考えて描いてくれたんじゃないかなと思いますね。「明日の神話」に対する我々なりの回答も提示できたのではないかと思います。
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