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2015.09.04

保坂俊彦
カンヴァスちゃん、アーティストに話をきくの巻(保坂俊彦さん編)

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保坂俊彦さん

保坂俊彦さんは日本に数少ないプロ砂像彫刻家のひとり。講談社「進撃の巨人」や日清食品「カップヌードル」などのPR用砂像制作や、世界各国開かれている砂像イベントで活動されている。そもそも保坂さんが砂を扱うようになったきっかけからお話を伺った。

「最初は偶然なんです。僕の叔父が秋田県に住んでいるのですが、1997年に秋田県の八竜町(現 三種町)というところで、「サンドクラフトin八竜」という砂のお祭りをすることになったみたいで。僕は当時東京芸大で彫刻を学んでいる大学生だったので、手伝ってくれよと声をかけられまして。そのときがはじめてでした。砂でお城でもつくるのかな、という認識でした」。

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『ガネーシャ』 秋田県八竜町「サンドクラフト in 八竜」 1997年7月 4m (W) x 4m (D) x 2.5m (H)
初めてつくった砂像なんだそう。

このイベントを機に、砂像制作を開始し、以後現在まで、毎年約10体ぐらいの砂像を制作しているそうだ。

「海だとか砂浜のイメージが強いので制作はどうしても6〜8月の夏に集中します。台湾では38度の炎天下で制作したことがありまして、そのときは倒れそうになりました。砂の現場から次の砂の現場に移動することが多く、夏は2ヶ月ぐらい家に帰らなかったりします」。

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過酷な生活の中でも続けられるのはやはり砂という素材に魅力を感じているからだろうか。

「自分ではそんなにいろいろ器用にできるほうじゃないので。もともと砂に出会うまでは粘土とか普通の彫刻をやっていました。工房にこもってひとりで黙々と何ヶ月もやるんですけど、砂の場合はほんとに自然の素材を使って自然の中でつくるというのが大きな違いですかね。それが魅力かな」。

また、工房でもくもくと制作するスタイルとも大きく違う側面がある。



沖縄初 サンドアート・海煌祭PRESENTS『海神像』作・保坂俊彦 メイキング映像

「制作状況でいうと外でつくることがほとんどなので、パフォーマンスというか自動的に公開制作になります。彫刻ができていくプロセスってなかなかみる機会はないと思いますが、そういう意味では通行人の方は喜んでもらえたりするのが魅力ですね」。

作品制作は天候に左右されやすい。今年8/21に公開された「新宿クリエイターズ・フェスタ」での製作中、新宿に降った集中豪雨で砂像の下半分が固まらないうちに雨にやられてしまい、全部イチからやり直したそうだ。

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新宿での制作には50トンの砂を使ったらしいが、そういった砂はどこから運ぶのだろうか。

「基本、どの現場もつくる場所の近くで使える砂がないか調べます。例えば秋田にいい砂があったとしても運ぶのにお金がかかるので。基本的に砂像を制作するのに適した砂は海の砂よりも山の砂ですね。海の砂は波で洗われていて角が丸いんです。そうするとかみ合いにくいし崩れやすいです」。

各地で砂像を制作されているお話をお聞きしていると、順風満帆なように感じたが、実はそうではないと保坂さんは語る。

「19年前から砂像をつくっているんですけど、実はそのほとんどが地域のお祭りなんです。アートイベントではなくて、海開きの会場が多く、みなさんが見てわかるものや喜ぶものが望まれます。だから本当につくりたいと思ったデザインをつくることがあまりできなかったんです。以前からゴミを取り入れた作品をつくりたいと思っていましたが、そういう機会もなくて。そういうときにおおさかカンヴァスの公募を見つけて挑戦してみようと思いました」。



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ドイツや台湾など海外でも作品をつくられている保坂さん。国によって感覚は違うのだろうか。

「ドイツは前衛的なものや抽象的なもの、アメリカではマンガっぽいものが求められる傾向がありますね。台湾は日本のアニメのキャラクターそのものを制作してほしいというオーダーがたまにありますが、著作権などありますので断っています」。

実際まだまだ砂像の作品を見たことがない方が多いと語る保坂さん。挑戦したかったことが初めてできるだけでなく、大阪の人にも知ってもらいたいと語ってくださった。