巨大なフシギ立体作品の数々
“人々から聴こえる、多くのリズム・息づかいから、感じたことをフシギ立体作品にすることで、個性の素晴らしさ、面白さ、不思議さを体験、発信する”と語る作者は、今回初めて野外での大型の立体作品に挑戦。中之島公園に最大9メートルのオブジェを複数点在させたインスタレーションを展開する。芝生公園に様々な目的で訪れる人々と呼応して、きっと公園に新しい風景を生み出すに違いない。
■特別協賛
大阪芸術大学
■作品制作・発表に係る主な経緯
8月中旬 ・打合せ@大阪芸術大学
・扇町公園事務所協議資料作成
・インターン作業内容確認
8月下旬 ・台風対策について確認
・事業者との現地調査@中之島芝生広場
・足場組立@大阪芸術大学
9月上旬~下旬・打合せ@大阪芸術大学
・扇町公園事務所との協議を重ねる。
9月29日(火)搬入
9月30日〜10月2日(金)作品製作、ワークショップチラシ完成
10月3日(土)〜12日(月・祝)作品展示
10月13日(火)撤去
10月14日(水)扇町公園事務所立会い
10月15日(木)中之島公園清掃 終了
■経過写真
2015年8月29日(土)
作品の構造は竹で構成されている。分解して搬入できるように計算されている。
9月29日(火)(搬入)
芝生のダメージをできる限り減らすよう工夫を凝らした。
9月30日(水)(製作風景)
10月1日(木)
10月2日(金)
10月3日(土)(展示風景)
10月13日(火)(撤収)
■ワークショップの開催
日時:10月3日(土)参加者34名 10月4日(日)参加者28名
10月10日(土)参加者19名 10月12日(月・祝)参加者31名
参加者合計:112名
たくさんの方々がご参加くださいました。
■協議先
扇町公園事務所(中之島公園)
■その他
ア、芝生の養生について
中之島芝生広場の芝生について、作品が直置きになるので、芝生が枯れ、植替え費用が発生することが懸念された。その対策として、芝生にプラスチック製の養生(厚さ1.5cm程)を敷き、芝生のダメージを軽減させる措置を取った。結果、芝生へのダメージは軽減され、その部分の植替えは発生しなかった。
イ、芝生の植替えについて
作品を固定するための杭は芝生を掘り返して打ち込んだ。そのため、杭を打った部分4箇所の芝生の植替えが必要となった。植替えが必要となった部分は杭1本に対してサイズ3号であった。(約直径9センチ)また、約2週間、作品の影になってしまい、太陽光が当たらない場所が発生した。
その代わりLEDライトを用いて、芝生への光合成対策を行った。結果、3号サイズの芝生9つ分の植替えだけで済んだ。これは影になっていた面積約6平米に対して、面積率約4%の植替えで済んだという計算になる。
芝生の詳細
品 種:「ひめのしば」
必要数:13個/3号ポット
植替え時期:2016年3月頃
■作家インタビュー
芝生の上のような、のんびりした空間で展示したかった。
Q今回の応募動機はなんですか?
公募期間中に中之島にある京阪大江橋駅で開催されているイベントで作品を展示していまして。3年連続で地下の駅で展示していたのですが、中之島の地上でもチャレンジしてみたかったというのが動機です。3年もやっていると中之島周辺を歩く機会がたくさんあって。中之島のエネルギーもすごいし、文化も根づいていて、魅力がたくさんあってすごい好きなんです。
Q実際に戦ったポイントはどんなところですか?
中之島公園が広い場所だから大きい作品がすぐに入ると思ったのですが、それは無理で、つくる段階から解体することを考えなおして、持ってきて組み立てる方法にしたことが、戦ったポイントだと思います。
作品の中は竹でできています。竹は全部まるでつながって強度が出てくるので、強度を保てる形で骨格を組んで行くというのを考えて。分解してしまうとその分、ジョイント部分が増えていきます。パーツが100以上増えてたいへんでしたね。
また、搬入期間中に一日雨がどしゃぶりになって、作業ができなくて少しハラハラしていました。
Qやってみられてどうでしたか。
作品のユルグルーたちが中之島に訪れる方に受け入れてもらえるか少し心配だったのですが、前からあったみたいに日陰にしていたり、作品の周りを走り回ったりしてくれて、安心しています。芝部の上に作品を展示したかったので夢が叶いました。
Qなぜ芝生の上で展示したかったのですか。
のんびりした雰囲気の場所で展示したいと思っていました。建物の中だと表現できない部分があると思うので、それにチャレンジしてみたかったんです。
Q地下の展示だと電車に乗ることが目的の場所なので、急いでおられるサラリーマンの方が多そうですね。
駅は立ち止まって見てくれる方が少なくて、こういう作品ですと言いきれないときが多い。中之島公園はみんなが足を止めに来てくれるので、お客さんとの距離感が身近に感じられました。