漂着物を残した砂像
通常、砂像を作る場合は砂に混じった漂着物やゴミは丁寧に取り除いてから作成するが、今回作られる砂像は、それらの漂着物を残したまま作る。できあがった砂像からどんな姿で漂着物が姿を表すのか、完成するまで誰にも分からない。そこに現れるのは、人の営みが、都市という存在が、海に、自然に影響を与えたその断片である。そこからどんなメッセージを受け取るのか…見る人次第で姿を変える作品となる。
■協賛
株式会社エスアールエスFAD事業部
■作品制作・発表に係る主な経緯
8月中旬・現場調査、作品プラン決定、予算調整
・中之島公園の車両進入の規制確認
9月上旬・作品に利用するゴミの採取
・搬入タイムテーブル作成
・中之島公園との協議
9月中旬・予算について協議
・中之島公園との協議、作品プラン決定
9月下旬現場調査
9月26日(土)搬入
9月27日(日)〜10月2日(金)作品制作
10月3日(土)〜12日(月・祝)作品展示
10月13日(火)撤去
10月14日(水)中之島公園管理者立会い
10月15日(木)中之島公園清掃
■経過写真
2015年9月26日(土)(搬入)
作家の保坂さん立ち会いのもと、砂像の仮枠をつくる様子です。
9月27日(日)(製作風景)
一晩置いたあと、型枠を外し、輪郭を入れ、スコップで掘り始めました。
9月28日(月)
9月29日(火)
ヘラのようなものを使いながら、ウロコを丁寧に形づくっていきます。
9月30日(水)
10月1日(木)
10月2日(金)
10月3日(土)(展示)
10月13日(火)(撤収)
■協議先
・扇町公園事務所(中之島公園)
●中之島公園でテント1台利用(サイズ:1,800×2,700)
保坂氏の砂像作品は、雨での砂崩れを防ぐため、定着剤を吹き付けるが、製作途中は定着剤の吹き付けができないため、テント1台を砂像の雨避けとして利用した。
■作家インタビュー
砂像の展示会場はビーチが多く、展示する前の会場にあるゴミをあえて見せる挑戦がしたい。
Q 今回の応募動機はなんですか?
砂の彫刻のイベントしか参加したことがなく、おおさかカンヴァスはいろんなジャンルの方がでておられたので楽しそうだなと思いました。サンドアートについてもっと知ってもらえたらと思って応募しました。
Q 今回のテーマがたたかう芸術祭というタイトルですが、実際に戦ったポイントはどんなところですか?
今までつくる場がお祭りの会場であったり、海開きのイベント会場が多く、ゴミとか撤去してきれいな砂の場でつくっていました。ただ実際はビーチクリーニングしないと漂着物とかゴミがあって、そういうものを見せないようにやっていたんですが、実際はゴミがあるわけで、そういうゴミをあえて見せることで、見に来た人が考えるきっかけになればと思いました。見せないできたものをあえて出すことが今回の戦うというところです。
Q 海をきれいにしてしまってお祭りをするのに違和感を感じていたということですね?
そうですね。僕のアイデア自体は10年ぐらい前からあってずっとやりたいなあと思っていました。発表する場もなくて。
僕自身もつくるまえにゴミ拾いをするときがありますし、つくる前の状況も知っていって、お客さんがきれいだきれいだ、ということに対してきれいなところだけに目がいくのがちょっと違和感があって。
Q あえてゴミを混ぜてだいぶつくりにくそうですね。
そうですね、ゴミがひっかかって、ときには崩れちゃうし、やりにくいですね。
Q 思っていたラインが出ないというところに葛藤があるんですか?
そういう部分もあるんですが、自分で入れたので(笑)。今までにない経験なんですけどちょっと楽しまないと、と思ってやっています。
Q まだつくっている途中ですが、実際やってみてどうですか?
今までただきれいだとか、すごいものを考えてつくってきたのですが、今回はテーマがあって見た人の反応も知りたいし、造形以外の部分を考えてつくる必要があるので、完成が楽しみです。